私のそばにいるターさんは、うたの会の半分くらいは肩肘ついて目をつぶっています。
でもよく見ると、口元が笑ってるの。
「ターさん、節分はまめまきだけど、首に巻くのは何巻〜??」
って聞くと、うっすら目を開けて、にや〜って笑ってくれたりします。
その向こうのイーさんは、最近はほとんど目をつぶっています。
以前は、体の向きを変えたり、腰の位置をずらしたりするから、
ああ、起きてるな
ああ、聞こえているな
ああ、楽しんでいるな
ってわかったけれど、最近は動きが少なくなってきたかなあ。
でも、途中、目の前のお茶を飲んだりしています。
終わってから、特別授業で、今日の歌を耳元でゆっくりと歌います。
すると目を開けて、こちらをジロっと見て、ゆーーーーーっくりと、いっしょに歌ってくれるわけです。
うた、好きですからね。
寝ながら参加する方っていていいんですよね。
ちゃんとその方のその日の最高の方法でその歌とかおしゃべりとかみんなの輪の空気を味わっていらっしゃいますから。
ちょうそ数日前にサーさんが旅立たれました。
サーさんもいつも夢の中でこのうたの会に参加してくれて、いつの間にかに一緒に歌っていたり、心から歌に耳を傾けたりしていました。
……いや、腕を組んでソファーに寝そべってただけでしょ?
って、サーさんを知らない人なら言うかもしれませんが、ちゃんとサーさんなりに参加してくれていたし、喜んでいてくれたし、心を鼓舞してくれていました。
旅立った今でさえ、きっと楽しんでくれたに違いありません。
お昼の時間を利用して、個人宅へ。
「ねえ、富永さん、ひどいのよ。鍋とかフライパン、勝手に捨てられちゃったのよ。。。」
もーさんは認知症状はありません。
いや、あるのかな。
まあ、みんな少し考えるのがのんびりしているだけ。
ご自宅に行く前に、ケアマネさんやらご家族に電話してみると、どうやら年末から処分されていたらしいけど、、、まあ、それはそうとして、どうしよう。
とりあえず、鍋を探してみながら、部屋を片付けようと思い立って、バーっと片付けました。
30分ほどして、もーさんが、
「あ、ひさしぶりに畳が見えた」
って。
よかったねえ。
とりあえずお湯を沸かせないと暖も取れないので、湯沸かしポットを買ってくることを約束。
そのあと、ケアマネ事務所とご家族ともご相談して、実際に買って持っていくことに。
はじめて2階の寝室を片付けたけど、大きな一歩だったなあ。
これまでかなり拒否されていたからなあ。
「散らかっていて恥ずかしい」
「大丈夫。だって僕ともーさんの付き合いじゃない。平気平気」
うそじゃないからそう言えるかな。
午後は有料。
11月とか12月の歌の会に参加されていた方が今月亡くなってしまって、さびしいかぎり。
102、3歳のターさんはたぶん7、8年のお付き合いがあったかなあ。
まあ鉄人だし、会うたびに、
「あんた、まだ帰ってなかったの、よくがんばるねえ、ありがとう」
ってねぎらってくださる。
最後までちゃんと、まわりの人のおこないやその価値の大きさを感じ取れて、それを言葉にして伝えることができる方でした。
すごい方でしたね。
ミーさんもイーさんも本当にお世話になりました。
たくさんお話できて楽しかったです。
また会いましょう。