昨日、音大出身でクラリネット奏者のミーくんと話した。
彼が言っていた印象的な言葉がある。
「いつも曲を弾きたくなる気持ちとのせめぎ合いですよ」
うーん。それね!
わかる、わかるよ!
結局、ピアノは「分解作業」だから。
最初から一気に完成品を組み立ててもうまくできるわけがない。
ピアノはフィジカルだから、筋肉をほぐしてのばしてあたためないといけないし、
ピアノは野菜と肉とスープとデザートのコース料理だから、それぞれの料理を下ごしらえからはじめないといけない。
だから、ピアノに向かって、すぐに曲を弾き始めたくなる気持ちをおさえて、スケール練習、コード練習、……いやそれよりも前に、右手練習、左手練習、ブラインド練習、……いやいやそれよりももっと前に、弾かない読譜トレ、日頃のから日常的な脳内練習、歩きながら指トレ、そこでも曲練習ではなくて、スケールを練習する。
そうやって順番に曲練習までいく。
そのとき、もう曲練習は「おまけ」のようなもの。
スケールとコードが自由自在だから、曲なんていつでもできる。
そこがゴール。
そうだ。曲はおまけなんだ。
ピアノのミッションを意識せよ。
心に刻め。
その一曲はゴールじゃない。
自由自在にピアノを扱うことがゴール。
それはなんのため?
人に聴いてもらってその場をいい空間にするため。
自分の趣味のためにピアノをやっている人は、曲練習ばかりする。
誰かのため、何かの目的のためにピアノをやっている人は、スケール練習とコード練習が練習の中心。
曲はおまけなんだと一生意識せよ。